過つは彼の性、許すは我の心 弐



 しかも神がかっているとか…。

 獅帥君達が傍にいると、烏滸がましくて恥ずかしい単語だ。


「あの頃のつーちゃん目指しているから」

「そうなの?」

「うんなりきった気分」

「もっと別の目指したら?」


 煽りじゃなく、私以外に目指すべき人沢山いるでしょうがと言う意味で話せば、


「ううんあの頃のつーちゃんみたいになる。僕の大事な人生の目標」


 まで言い切られてもう何も言うまいと思った。(人に好かれる事は悪い気はしないからね)


「今のつーちゃんも勿論目指す」

「…ルイ君ならなんにでもなれるよ」

「応援してて」

「うん…」


 自己評価の高くない私になると言ったルイ君に複雑な思いを抱きながらも廊下を歩いていれば、


「アレって…ルイ?」

「まさか」

「でも似てるよあの人」


 人とすれ違う様になって来た。

 直ぐそこの渡り廊下を渡り切れば、沢山催し物が立ち並ぶ教室エリアに辿り着き、集合場所の喫茶店はもう目の先。

 色々あったけれど疲れたあ…と思いながら、外の景色がよく見える渡り廊下へ足を踏み入れてーーー痛い。
 

「つーちゃん?」

「…」


 ズクンと頭に走る痛みに足を止める。そして、何でそんな事を言ったのか分からないが。


「ルイ君、避けて」


 手を離したルイ君は、後ろに転がる様に大きく下がる。

 ルイ君の頭があった場所に一閃銀色が煌めいた。

 見覚えある、ナイフだ。