暖かい重ねられた手と穏やかに見守る瞳に「でも!」と抗議する。
「つーちゃん」
しっと唇に指を押し当てられる。大人しく話を聞けって事か。
「つーちゃんママやつーちゃんパパ、考史は確かに怒るかも。けどそれは愛情あってこそだからつーちゃんも受け入れないと駄目」
「…」
「ただ好奇心旺盛でお節介焼きなつーちゃんに助けられた僕としては、頑張れしか言わないよ」
あの時の私はルイ君を助けたつもりなんてなかったのに。
あの時ーーー…ルイ君が芸能界を止めるきっかけになった誘拐事件の時、ルイ君は怪我1つなく戻って来られたが、心に大きな傷を残し、一時的に私の家に預けられていた。
その時に私が傍に居た事を未だに感謝してくれているルイ君。
そんなに恩に着なくなったって…。
少ししんみりしていれば、
「でも誤解しないで欲しいのは、つーちゃんにはどんどん突っ込んでいって欲しいって事」
「突っ込む?」
謎のワードに突っ込まざる得なかった。
「安心して突っ込んでおいでよ」
ふふっと笑って言うルイ君。
いや、
「だから安心して突っ込むって…意味大分、分かんないけど」
何をどう安心するべきなのか。突っ込むも意味が分からないけれど、フィーリングで時々会話をするルイ君の言葉の意味を一生懸命考えた。
「例え突っ込んでつーちゃんが大怪我しても、」
「う、うん…」
混乱する私を置いて話を続けるので、意味はもう考えずに黙って聞く事にした。(諦め)



