過つは彼の性、許すは我の心 弐



 暖かい重ねられた手と穏やかに見守る瞳に「でも!」と抗議する。 


「つーちゃん」

 
 しっと唇に指を押し当てられる。大人しく話を聞けって事か。


「つーちゃんママやつーちゃんパパ、考史は確かに怒るかも。けどそれは愛情あってこそだからつーちゃんも受け入れないと駄目」

「…」

「ただ好奇心旺盛でお節介焼きなつーちゃんに助けられた僕としては、頑張れしか言わないよ」
 

 あの時の私はルイ君を助けたつもりなんてなかったのに。

 あの時ーーー…ルイ君が芸能界を止めるきっかけになった誘拐事件の時、ルイ君は怪我1つなく戻って来られたが、心に大きな傷を残し、一時的に私の家に預けられていた。

 その時に私が傍に居た事を未だに感謝してくれているルイ君。

 そんなに恩に着なくなったって…。 

 少ししんみりしていれば、


「でも誤解しないで欲しいのは、つーちゃんにはどんどん突っ込んでいって欲しいって事」

「突っ込む?」


 謎のワードに突っ込まざる得なかった。


「安心して突っ込んでおいでよ」


 ふふっと笑って言うルイ君。

 いや、


「だから安心して突っ込むって…意味大分、分かんないけど」


 何をどう安心するべきなのか。突っ込むも意味が分からないけれど、フィーリングで時々会話をするルイ君の言葉の意味を一生懸命考えた。


「例え突っ込んでつーちゃんが大怪我しても、」

「う、うん…」


 混乱する私を置いて話を続けるので、意味はもう考えずに黙って聞く事にした。(諦め)