ルイ君はそう言われて「通り掛かりにミゾブチさんの可愛い娘さんが面白そうな事しているなあって思って」と言ったらビクっとなるるり先輩。
何処からどう聞いても脅迫している様にしか聞こえない会話だったから「あ、あのこれは…」と誤魔化そうとするが、ルイ君がそこで助け舟。
「ミゾブチさんの娘さんが怖い顔をするぐらいの事をしたんでしょう?この人」
この人こと私は、ルイ君がどう言うつもりか分からないので黙って見守る。
「そう、そうなのよ!コイツが!」
「因みにその動画ってバックアップとっているの?」
「え?」
るり先輩が話し掛けるのに待ったを掛けるルイ君。
「誠実なミゾブチさんなら約束を守ると思うけど…もしこの人に逆恨みされた時に動画のバックアップとってなかったから危ないかもなあと思って」
「この携帯にしかない…」
「将来お父さんの仕事に関わるならちゃんとしておいた方がいいよ」
「そう…ですね」
独特な不思議ちゃん系の雰囲気を持ったルイ君の言葉に、あの苛烈なるり先輩が、大人しく話を聞いた上に重要な事を口を滑らしたのも気付かせてもいない。小さな頃から人外魔境の芸能界に浸かってただけあって見事な会話術で、私もよく振り回された。
「僕動画見えなかったから見せてもらっていい?」



