「そうなの?まあ…妃帥ちゃんが喜ぶならいっか」
2人の兄妹が起きた時に憂い無ければ何でもいい。
「綴様」
「うん?」
「貴方こそ妃帥お嬢様が探していた方かもしれません」
「は?」
何だそれは。
聞き返したい気持ちも山々だが、下手に話を続けるとやっと眠った獅帥君が起きてしまうかもしれない。
「…そう言えば、妃帥ちゃんは?」
「まだ起きていません」
「そっか…鉄将君達は?」
「少しお話しした後に帰られました」
全員いても仕方ないだろうし、皆んなの目的だった獅帥君は、自室に帰ったきり戻って来なければ帰るか。
「綴様、もしお疲れなら…」
もうそんな時間。
遅めの朝ごはん食べたと思っていたら、もう夕方か。
「…今日は寝ずの番するよ。約束したから」
「約束?」
「獅帥君が起きるまで傍にいるって」
チラリと獅帥君を見る。
「そうですか…でしたら、後で軽めに食べられる物を持って来ます」
「ありがとう。妃帥ちゃんが起きたら、」
「必ず声を掛けに来ます」
カズミさんはそう言って、静かに部屋から出て行った。
そして、宣言通りカズミさんがご飯を持って来てくれたので、五月蝿くならない様にご飯を摂取。(手はゆっくり抜き取った)
そうこうしていれば、本当に夜になっていた。



