過つは彼の性、許すは我の心 弐



 洋直ちゃんは「た、たいした事がない…」と言って、黙り込んでしまう。

…直ぐに受け入れろって言うのも難しいか。

 火渡君が凄い人と刷り込んできた洋直ちゃんに、自分と火渡君が接している姿を見せて、もっと肩の力を抜いて付き合える相手なんだよって教えているんだろうと思う。

 そもそも火渡君の方は洋直ちゃんの事を好きで、洋直ちゃんの方は…獅帥君が好きってなっているけれど、フレアのせいでごちゃ付いているから、自分の気持ちが見えていない気がするんだよね。

 フレアで玩具扱いとなった洋直ちゃんの待遇に、お互いに思っていた悪感情が爆発して、今の拗れた関係になったと言うか。


ーーーーでも、まあとりあえず。


「洋直ちゃんはもっとあの2人を頼って良いんだよ。あの2人なら幾ら頼られても負担になんて思わないよ。洋直ちゃんの思っている事とか、悩んでいる事とかあればどーんと相談しちゃえ」

「そうでしょうか…」


 俯く洋直ちゃんに「私の想像なんだけど、ミサさんと渚君達のお父さんって今の渚君達みたいだったんじゃないかな」と言うと「お母さんが?」と不思議そうに顔を上げた。


「ミサさんが強い人だったのって、渚君達のお父さんが、どんなに離れていてもきっと傍に居てくれるって言う強い確信があったからじゃないのかな」

「強い確信…」

「渚君達もお互いが居れば無敵。ミサさんの子供の洋直ちゃんもその血を継いでいる訳だから無敵!そう言う事!」