過つは彼の性、許すは我の心 弐




「火渡君久々だね!」


 サンキュー助かった!初めて心から火渡君に感謝した!


「あれ1人?」


 パッと獅帥君から手を離して近付くと「唐堂先輩!」と元気の良い声が聞こえた。


「洋直ちゃん」


 ピョコンと火渡君の後ろから現れたのは、クラスTシャツを着た洋直ちゃんで「先輩とっても可愛いです!」と、以前よりもハキハキとして…何だかとても明るい雰囲気に、文化祭だからテンション上がってんのかなと思っていると、


「烈」

「な、何だよ」

「こっちに」


 獅帥君がやや怯えている火渡君の肩を掴んで、強引に何処かに引っ張っていこうとしていた。何処に連れて行くつもりなんだ。


「はあ…獅帥先輩やっぱりとても素敵…いけないいけない!烈!私と先輩彼処の喫茶店で待っているからねー!」


 聞こえたのか分からないが一瞬獅帥君が視線を此方に寄せて、廊下の奥へと消えて行く。


「先輩行きましょう!」

「う、うん」


 ま、いっか。火渡君怒られそうだけど。(非情だが)

 早々に見捨てた洋直ちゃんは「行きましょう」と私を促すので着いて行く。


「洋直ちゃんのクラスは何やってんの?」

「ハリウッドで働いている、その道で有名なホラー映画の特殊メイクをしている親の子がいて、その子の監修の元でお化け屋敷ですね」

「へえ楽しそう」

「はい結構評判いいんで、是非先輩達も来てください」