過つは彼の性、許すは我の心 弐



 ペアは3班に分かれる事になった。


『じゃあ顔見知りの海祇と、家族の綴ちゃんと考史君で分かれるか』

『俺は綴と行く』

『お前なあ…』

『考史は大丈夫?知り合ったばっかの人と一緒で』

『平気だよガキじゃないし』


 と言う事で私と獅帥君、渚君と火ノ宮君、木野島君と考史と言った感じで別れた。


『写真とかはないの?』


 火ノ宮君に言われて考史と顔を見合わせる。


『あるけど…』

『…もったいぶるつもりないけど、見れば分かると思うよ』


 私の言葉のハテナマークになっている面々に、写真を見せたら驚いた表情になって皆んな納得してくれた。

 そして、クラスメイトには事情を説明して、ちょっと早めだけれど広報代わりに捜索する事になったんだけれど。(帰って来たばっかりの渚君達には本当に申し訳ない…)


「凄いね…」

「何が?」

「いやあ…」


 また見たよモーゼの十戒。

 私達…と言うより、獅帥君を見て遠巻きに男女関係無く呆けて、モーゼの十戒の様に道を開けてくれる。

 居心地悪くてしょうがないが獅帥君は私の為にこうしてくれている訳だし、我慢だ、我慢。


「その従姉妹と綴は、仲が良いのか?」

「あ、うん。そうだね、小さな頃は一時的に住んでたから、兄妹に近いかも」

「一時的に?」


 視線も気にならなくなると思って、頷きながら話に集中する事にした。