過つは彼の性、許すは我の心 弐

 

 お母さんも仕事あるからこのまま国に残るだろうし、私と考史もここに残るのが妥当…お父さんごめん着いていけなくて。


「だから、一回皆んなで都内で集まろうって」

「そうだね」


 お父さんやだろうな…きっと都内での集まりはお父さん激励会になる事だろう。


「あー疲れた〜」

「木野島君、火ノ宮君お疲れ様。あれ鉄将君は?」

「綴ちゃんもお疲れ様〜ああ埜々ちゃんも来ているから迎えに行っているよ〜」

「埜々ちゃん来ているんだ」


 後で会えると良いなと思っていると、白衣に眼鏡のお医者さんスタイルの木野島君と、ハンチング?帽子を被った書生スタイルの火ノ宮君が、クラスメイトに声を掛けながら此方に来る。


「広報班大体帰って来たな」

「じゃあ一旦閉めるぞ〜」


 そろそろ交代時間と言う事もあり、一旦クラスも店仕舞いとなり、椅子に座って雑談したり、次の準備を始めたり、ご飯休憩に入ったりとプチ自由時間になった。


「海祇もお疲れ〜」

「おう」


 渚君と木野島君達も椅子を持って来て近くに座る。


「で、彼は?」

「綴の弟の考史です」

「俺同じクラスの木野島楽よろしくね〜こっちは火ノ宮正照ね」

「よろしくお願いします」


 火ノ宮君が軽く頭を下げている隣で「皆んな何の話してたの?」と木野島君に聞かれたので、唐堂家が大出世している話をしたら、真顔になったシンカンの2人。え何怖い。