過つは彼の性、許すは我の心 弐



 少しだけ口角を上げて笑った獅帥君にポンと頭を撫でられて、イケメンの頭撫で撫で強すぎる…!と心の中で大暴れした朝。

 遂に、文化祭2日目を迎えた。

 私と獅帥君は、午前中クラス内にいて展示品の様に座っている(獅帥君が私の身体状況を慮って)だけで、午後は校内を自由時間兼広報として歩く事になっている。

 今はもう少しでお昼と言う時間で、人の波が落ち着いた頃でもあった。


「うんいいねいいね!」


 私を見て、改めて得意満面の服飾部の子が頷いている。


「凄いよね…本当にありがとう」

「でしょうー!」


 立ち上がって、姿見の前でクルクルと回る。

 白いレースとリボンで肌が見えない様に首まで覆ってくれたそのドレスは、流れる様におへその辺りまで白いフリルが使われ、盛り上がっているドレスの部分は布を重ねる様に縫い付けられ、縁はフリルと白いラインで上品に整えられている。所謂ベルラインシルエットの、大正時代の和洋折衷味のあるドレスだ。服飾部の本気を見た気がした。


「唐堂さん化粧映えする顔だから頑張っちゃった」


 そう言ってくれた美容部も私の顔色の悪さを、昨日エステにも行って良眠もしたんですかってぐらいの肌艶にしてくれ、神技術の化粧で誤魔化す所か私の顔面偏差値を二十も三十も上げ、髪の毛も以前カズミさんがやってくれた様に黄色い花を編み込む様にハーフアップにしてくれた。