過つは彼の性、許すは我の心 弐




 起きたら昨日起きた時間だった。

 獅帥君(少しだけ眠たげな)が居た事にもう驚かなかったが、何故だか圭三郎さんが来ていた。


『綴様文化祭が終わったら速やかに病院…嫌なら数日休みを取ってしっかりと休養して下さい』

『す、すみません…』


 圭三郎さんの呆れた顔が痛くって視線を逸らす。

 色々無理言って来て貰ったんだろうなあと思ったら、圭三郎さんと獅帥君に足向けて眠れません。

 幾つか注意事項を言われてから圭三郎さんは獅帥君に挨拶して帰って行った。

 窓にもテープで止めた様な跡があって、きっと獅帥君がやってくれたんだと思うと涙が出そうになる。


『奴は来なかった』


 奴?となって、さあっと青褪める。


『だい、だいじょ、』

『大丈夫だ』


 天條君がベッドの淵に座りながら携帯で何かを見ている。

 遠目だがTVっぽくて何となく私も獅帥君の横から見ていた。


『ヤクザの事務所とそのヤクザがバックにいるお店が襲撃、犯人は依然逃走中…うわあ物騒だね』

『…だろうな』


 前半の声が聞こえずに『ん?』と聞き返すが『いや何でもない。それより平気か』と聞かれて頷く。


『スッキリしたと思う』


 まだ気怠い感じは残っているが、ここ数日で1番元気が良いと思う。


『大丈夫なら惣倉も文化祭に来る』

『!そうだねよし頑張ろう!』

『あまり頑張るな』