「うんだから絶対に惣倉君も私に会いに来てね」
「約束です」
そう言いながら、私の身体を優しく押し倒して微笑む。
喜影君とならビクビクしているシュチエーションだが今は不思議と怖くなくって、私の少し伸びた髪を梳きながら微笑む美しい惣倉君の表情に私は惚ける。
その時ーーードンドンとノックされる音が聞こえた。
「先輩を1人にはしないです、バトンタッチ」
「バトンタッチ?」
「ええ、最近先輩に対して過保護でうざい人と」
悪戯気に笑った惣倉君は「待ってて下さい」と言って、ピョンとベッドから飛び降りた。
目が霞んで来た、惣倉君誰と話しているんだ?
ぼやぼやした視線で話す惣倉君が話す姿を見つめていれば、惣倉君は何事もない様に部屋から出て行く。
あ、行っちゃう…。
そう思って手を伸ばしたら、別に誰かに掴まれた。
近付いてるのに気付かなかった。
「獅帥君?」
「綴」
獅帥君のこめかみから汗が落ちる。
汗を掻いていても芸術的なんだな獅帥君ってと考えながら、そうだ連絡するって言ったのを思い出す。
「ごめん…」
「謝らなくていい。それより昨日より顔色が悪い。医者に」
はっとして「駄目!」と大声で獅帥君を止めた。
「約束したから!」
「約束?」
「可愛い私を見せるって」
そう、可愛い後輩との約束したんだから。
私が真剣な目で獅帥君を見つめれば「それはお前を休ませる為の」なんて言うからムッとした。



