「私の幼馴染の妹。そっくりでビックリした。喜影君も幼馴染経友で会ってセフレなのか、性欲処理係みたいな…洋直ちゃんの事もきっとこう言う事があったから許せなかったのかも…っ」
「…」
一気に色々話して俯く。もう言っている事が無茶苦茶で、惣倉君の顔が強張って行くのを見ていられなかった。
少しの沈黙の後、
「ーーー先輩用事思い出しました、ちょっと出て行きますね」
感情の籠らない声でそう言って、私から離れようとする。
「駄目っ」
咄嗟に駄目!と思って惣倉君を掴む。
「先輩が早く行けって言ったんですよ」
「今は駄目!」
確かに早く行けって言ったり、行くなって言ったり訳が分からなくなっている。
「先輩」
「駄目なものは駄目!」
「先輩聞いて」
そう言われて見上げれば、困っている顔でも怒っている顔でもなく、穏やかな表情と温かな瞳で見下ろされて混乱した感情が徐々に落ち着いて行く。
「先輩文化祭で今よりもっと可愛くなるんでしょう?」
「え…」
「文化祭の催しで先輩がドレスアップするって聞きました」
うんと頷くと、
「そんな先輩見れるなら何が何でも見に行きますよ」
と小さく笑いながら言った。
「私頑張って可愛くなる」
「はい。今でも十分可愛いですけど、もっと可愛い先輩を俺に見せて欲しいので、今はしっかり寝て下さい」



