女の胡乱気な瞳が、
「ーーーアンタ!」
苛烈な怒りに変わった。
瞳と表情が円嘉そのもの。
叩き付けられる様な感情は、自分と他人を容赦無く巻き込んで炎上させる。
「唐堂綴!」
名前を呼ばれても、ボーッと眺めていた。
膝が血だらけになった少女が、私の元まで来て手を振り上げる。
パシンっと。
「おい、アンタ!人のダチに何すん、」
「五月蝿い五月蝿い!コイツは!」
鉄将君が振り上げる腕を掴んでくれているが、私は止める事も、逃げる事もせずに彼女を眺めた。
「ーーー私の姉を殺した!!」
そうだ、あの子だ。
『紹介するわね綴』
姉の後ろからコッソリと顔を出したあの子の妹。
「殺したって…何言ってんだ」
「離せ!」
『許さない』
最後に言った円嘉の妹の、涙に濡れても尚の事此方を憎しみで殺そうとするあの子の顔。
「リタ!テメエ客から逃げやがったな!」
数回だけ会った事のある彼女ーーー円嘉の妹、利大。
「オイ!ガキの分際で人の商品に手を出すな!」
「はあ?アンタ何なんだいきなり現れて」
鉄将君が突然現れたチンピラと揉み合いになっている。
その時鉄将君の手がリタから離れて、もう一度私に振り下ろされた。
「何よ!邪魔しないで!」
「…よせ」
「はいお嬢はん離れよな」
獅帥君が手を捕まえ、凌久君がリタの両肩を抱いて私から離す。



