「円嘉って?」
「私の昔一緒にいた幼馴染なんだけど…」
「へーとんでもない偶然だな」
「そうだね…」
怖い顔をしている獅帥君と凌久君の横で、鉄将君の緊張感のない言動に少しだけホッとする。
「つーかもう行こうぜ、自由時間終わっちまうよ。あっちのホテル街の前に良い喫茶店あるんだ」
おお!ナイス提案!
余計な事を言ってしまった(分かってなかったとは言え)手前、私も「行ってみたいー!案内よろしくー!」と元気良く返事をして空気の入れ替えを試みた。
それに鉄将君が「お!じゃあこっちな」と意気揚々と答えて歩き始めたので、それに着いて行く事にした。
「…」
「…」
黙ってはいるものの、獅帥君と凌久君も着いて来てくれるか、気不味いは気不味い。
しかし気付かないのが鉄将君クオリティ。
「埜々に教えて貰ったんだけどさー」
「埜々ちゃんのオススメなら絶対に良い所だね」
「ああ!埜々は最高に可愛いし頭も良いしセンスも良い!」
「はいはい」
いつもの調子の鉄将君のお陰で少しずつだが私の好きなのんびりとした雰囲気が戻って来ている気がした。
ーーーけれど、
「そう言えば埜々が唐堂とまた遊びたいって言ってたんだけど」
「そうなんだ。じゃあ連絡してみよう」
「そうしてくれって、お」
そんなのは許されず。



