獅帥君の追及する顔から逃れたくて、視線をTVの方に向いてーーー目を疑う。
TVの内容は医者兼経営者としても幅広く活動している男性の話で、その男性が画面の中で自分のして来た事を自信満々に語っていた。
ゴツゴツした金の指輪に宝石、CMで出る様な腕時計、高級感のある布地で作られたスーツ、机で隠れているがブランド物であるのが前提の磨き上げられた靴を履いている。
「獅帥君覚えている?円嘉の話」
「…ああ」
「この人」
TVの画面をピッと指を指して、男の名前を読み上げた。
「土師保宇。円嘉のお父さん」
私の言葉に獅帥君は目を瞬かせて、凌久君は目を見開き、鉄将君は唯一分かっていないので首を傾げている。
「前に言うとった幼馴染の女か?」
「そう」
凌久君に少しだけ円嘉の話をしていたので言葉に頷くが、でも土師ってとなってハッとなる。
『母親がいーひんようになって周囲に怯えとったある日、偶然今の土師の1番偉い奴と四葉話しとったのを聞いた』
まさかと凌久君を見れば険しい顔付きになっていて、嫌な勘が当たっていた事に気付く。
人を平気で消したり出来る人。
人の人生を平気で駒にすると言っている人。
円嘉も蛇蝎の如く嫌っていたが、凌久君からすれば叔母さんをお母さんの人生を奪った人。



