過つは彼の性、許すは我の心 弐



 いつかはまた普通に話せればいいんだけど…。


「唐堂は?」

「うん?」


 清維との事に頭が持ってかれていた所で、服飾部のクラスメイトに「服になんか要望ある?」と聞かれていた。


「えと要望って?」

「背中に刺青入れてるから背中が見える衣装はやめて欲しいとか」

「刺青なんてあるか!」


 そうツッコミながら、ふと思い出す。


『あっ…!』

『はあ…』


 グッと噛まれた首の感触と喜影君の吐息。

 シングルベッドを軋ませて行われる蛮行。

 首から溢れる血を舌で舐めとられて、ゾワゾワと背筋が騒つく。


『んっ…』

『忘れるな』

『…』


 後ろから攻め立ていた喜影君の話をぼんやりと聞いて頷くと、耳の近くでフッと笑って私の耳を喰んだ。


「出来れば露出度低めでお願いします…」


 若干厚いけどタートルネックのシャツを中に着ているのは、彼があちこちに痕跡を残すからで、スカートの中も長めのスパッツ吐く羽目になっている。


「綴?」


 獅帥君の声が頭に響く。

 気付いたら獅帥君が立っていて、私を見下ろしていた。白昼夢見てた。


「ごめんねぼーっとしてた」


 知らない内に両手まで握っていた獅帥君の手を握り返して、夜の気配を振り払う。


 そんな私を見た獅帥君が急に険しい顔になる。

 
「採寸したら買い出し行っていいんだな」