鉄将君止めてよ!と思いながら見れば、信じられない様な顔をして見るだけで止めやしない。
「わた、私がこま、困るっ」
こうなったら直談判だ!と思ったのに、意外と節くれだった指先が私の指先の間に入り込まれて、握り合わされる。
ヒエっと心の中で息を詰めていれば、獅帥君は握り合わせた私の手を自分の口元まで寄せたと思ったら、
「ーーーじゃあ俺だけ見てればいい」
切れ長の瞳を悪戯げに歪ませて、フッと笑った。息掛かった。心臓がギュンと鳴った。
この…!
「…分かった分かったよ!着ますよ着ます!獅帥君とおそろします!」
だから離せや馬鹿者!と手をブンブンと振れば、それを見ていたドラフト出席者の1人が、
「美女と野獣…」
とポツリと言った。
「美女と野獣?」
「私は天條君に野生味を感じた!これで行こう!」
「唐堂が喰われそうな感じだったからいいかもな」
「じゃあ2人とも服に要望ある場合は早めに言ってね」
「こんなどさくさで決定なの!?」
もう作成組が淡々と話を進めているので、ブンブンと獅帥君の手を離そうとすれば、離れた位置にいた清維と目が合う。
フイっと逸された視線に、熱くなった顔が冷めていくのを感じる。
ソドム事件以降余所余所しくなった清維に、私自身もどう接すればいいのか分からなくなっていた。



