広報は我がクラスの選りすぐりの美女美男子が選ばれ、私の周囲の友人は軒並み選出された。
そして、クラスメイト達の渦中の的。
「獅帥君大変だね」
「…」
足を組んで座るこの国宝級男子の仮装について、ラストスパートの今ですら決まっていない。
無表情だけれどうんざり雰囲気は凄く感じる。
本人はどうでも良いらしく、適当に決めてくれと言ってから、クラス内で文化祭準備を進行する水面下で、獅帥君の仮装についての争いが熾烈化されていた。
ただ、
「女装いいかもしれない…」
「腕の見せ所かも」
女装票に傾き掛けた所で、
「女装はやめてやってくれ」
流石の鉄将君のストップが入り、残念そうに皆んな諦めた。(確かに獅帥君の女装興味あるかもと思ったのは内緒)
「鉄将君は軍服だっけ?」
「ああ」
しっかりとした体格と好青年風の鉄将君の雰囲気にはよく合っている。
「お坊さんじゃ無いんだ」
「おい!やめろってその話!」
意地悪で言ったら鉄将君が大慌てで止めに入る。
「お坊さん?」
「何でもねえよ唐堂のいつもの奴だ」
「ああそう」
「ああそうじゃないよ!いつものって何さ」
鉄将君とクラスメイトのやれやれ顔にキー!となっていたら、
「分かった。綴が似合う服とペアにしてくれ」
背後で行われていた天條獅帥仮装ドラフトに終止符を本人が打った。待って私の名前聞こえなかった?



