過つは彼の性、許すは我の心 弐



「申請したから大丈夫!」

「カメラは?」

「写真部で申請して借りて来た!」

「背景の方は?」

「和風OK!次は洋風だ」

「美術部やる気スゲエな」


 私達のクラスでは仮装写真店をする。

 服飾部が服を、美術部の背景セットや細かい備品、美容部による本格的なスタイリング技術と写真部の写り最強の映え技術の提供をメインに、他のクラスメイトは雑務(指示された物を購入や申請をしたり、力仕事をしたり)をする。

 各々の気合いの入れ方が凄いのは、彼等にとってもチャンスとも言えるから。

 ここに通う生徒達の多くは、各業界の優秀な卵達であり、彼等の中にはもうプロと共に仕事をしている人もいれば、賞を沢山獲っている人もいるし、ほぼ大手企業に内定している様な人も居る。

 現役で活躍するTVで見る様な人達が卒業生で、そう言う関係者も大勢来る事から我が学園祭は自分を売る最大のチャンスなのだ。

 将来が決まるかもしれない。

 そんな重大な局面でもあるから、力の限り頑張るのは当然と言える。

 因みに私は雑務と当日裏方をするだけなの気楽な立場なんだけれど、当日重要な役割がもう1つある。


 それは、


「天條君は絶対洋風の王子様!」

「いいや和装も似合う!」

「何なら女装だって!」


 仮装をして広報を行う人。