「唐堂!」
「はい!」
ビクンとなって立ち上がる私にクラス中の視線が集まる。
「買い出し行けそうか?」
文化祭委員が大丈夫かと言う顔で此方を見ている。
「大丈夫です!自分に任せて下さい!」
「ノリがウザいなあ」
「まあ天條居てくれるからいいか…」
ふうやばいやばい…。
クラスメイトにうざがられながら着席する。
駄目だ眠くて何にも聞いてなかった。
昨日も彼が…喜影君が来たから。
正確に言うと寮に来ていた。
1人部屋と言う事もあって都合が良いのか、夜になると私の元に来て朝方まで彼と過ごす。
彼の有り余る体力に付き合うと寝る時間が大幅に削られ、授業中もカクカクなって、教師に何回も注意され掛けた。
けれどその度に、
「…綴平気か?」
「ごめんね獅帥君迷惑掛けちゃって」
「俺はいい」
獅帥君が庇ってくれて(教師も獅帥君に庇わればそれ以上追求しなかった)本当に申し訳なくなった。
「はーい!じゃあ役割分担は以上だ気合いを入れて取りかかれよ!」
「うーす!」
「よっしゃあラストスパートだ」
文化祭委員の言葉に和気藹々としながら、動き出すクラスメイト達。
「間に合いそうか?」
「間に合うと思うし、もう数種類作るから見ててよ」
「おおー凄いな服飾部」
「待機場所の椅子って生徒会に申請したか?」



