過つは彼の性、許すは我の心 弐

 

 彼が寄越した携帯には彼のアドレスが入ってしまった。


『分かったな』

『…』


 もう全部面倒臭い。


 熱で高められた身体が空気に晒され、冷たくなって行くのを心地良く感じながら目を瞑って頷く。

 朝になったら喜影君も、


『ねえ綴、楽しいでしょう?』


 この円嘉の幻影をも消えています様に。

 叶わぬ願いを抱きながら、疲労感と頭痛で意識を失う様に眠った。