彼が寄越した携帯には彼のアドレスが入ってしまった。 『分かったな』 『…』 もう全部面倒臭い。 熱で高められた身体が空気に晒され、冷たくなって行くのを心地良く感じながら目を瞑って頷く。 朝になったら喜影君も、 『ねえ綴、楽しいでしょう?』 この円嘉の幻影をも消えています様に。 叶わぬ願いを抱きながら、疲労感と頭痛で意識を失う様に眠った。