過つは彼の性、許すは我の心 弐



 首の辺りがズキズキする。

 噛まれたからだ。

 首だけじゃない。

 身体のあちこちに刻まれた淫靡な記憶が、身体を動かす度に主張してくる。


ーーーあの後から記憶が飛び飛びになっている。


 彼と私の服が床に散らばっていたが気にする余裕もなかった。

 頭痛と快楽に耐える為に精一杯だったから。

 古い本の匂いと肌の匂いが混じり合う。鼻腔をくすぐり、お互いの荒くなった息遣いと水音が耳を刺激した。


『あっ…!』


 強引で、少しでも腰が引けたら強い力で穿たれて、自分の嬌声が響くと彼は口角を上げた。

 肌を伝う酷薄な薄い唇と身体の輪郭をなぞる指は常に蠢いて、時には強く吸い付かれ、激しく追い立てられ、泣いて許しを請う。

 お願いもう辛いの苦しいの止めて。

 その瞬間、穴が空くんじゃないかと思うぐらい前から首を強く噛まれた。


『っあ』

『っ…』


 恐ろしくて身体にギュっと力が入ると、彼が中で果てたのを感じた。


『はあ…はあ…』


 漸く終わったと思ったのに、


『ひゃっ…ああっ!』


 ひっくり返されて、私に硬度を持った自身を再度捩じ込まれて思うままに揺らされ、断続的に悲鳴が口から出る。

 閉じたいのに無理矢理指を突っ込まれて、自分の声が止められない。

 悲しい、何でいつも彼とはこうなんだ。

 彼が私に拘る理由がわからない。