台車が重いけど、漸く辿り着いた。
ふうっと息を吐いて、演劇部の部室のドアをノックすると先程私達に依頼して来た部員が出て来たので話が早かった。
「悪かったな1人だったから大変だったろう」
「大丈夫。台車借りてたし…申し訳ないけどこれだけ図書館に返しておいて貰える?」
「分かったけど…大丈夫か?」
伺う様な視線に「え?」と言って気付いてないを振りをする。
「顔色悪いぞ保健室に」
「あー大丈夫。何時もの片頭痛だから薬飲めば落ち着くし、今日はこれで寮に戻るからさ。ありがとう心配してくれて」
「いいんだ。1人で本当に大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫!遠くないからじゃあ頑張ってね」
会話を早々に切り上げて、生徒会に連絡しようと携帯を見た。
獅帥君からだ。
大丈夫か?
シンプルだけれど、本当に心配してくれているんであろう獅帥君を思い浮かべて1人で笑う。
「大丈夫!今日は先に帰るねっと…」
大嘘の返信を送って、まだズキズキと痛む頭を押さえながら帰路に着く。
廊下を通ると、
「ねえあれ何処行った?」
「あーもう無くなっちゃたかも。隣のクラスに取りに行こう」
「演劇部気合い入っているよね〜」
「超楽しみ!絶対見に行こう」
文化祭シーズンだから授業が殆ど潰れているので、あちこちから部活動やクラスで楽しそうに準備する声が聞こえて来て微笑ましくなる。
「いっ…!」



