過つは彼の性、許すは我の心 弐



 助けにならない大人達の間で、あの双子は守らないといけない、いけなかった。

 ソドムから生還して微笑み合う美しい光景。

 誰かがどうして、誰も助けないの。

 ああ…頭が痛い。


「…結局何が言いたいの」


 こんな話を聞かせてどうしたいの喜影君は。


「…本格的にこれから惣倉は動き出すだろう。ガキの頃が可愛くなるぐらい」


 喜影君は5歩先からこめかみを押さえる私を哀れ様に見つめる。

 そして、


「助けてやるよ」


 思いもしない言葉を私に投げ掛けた。

 目を瞬かせて喜影君を見る。


「助けるって」


 何をどうやって助けるの。

 私の問いに、喜影君は動き始める。


「…本格的に話が動いたら俺に話が来る」

「どうして」


 1歩、後4歩。


「俺がいつか惣倉の全てを継ぐからだ」

「…」


 2歩、後3歩。


「情報を流してやる」


 3歩、後2歩。


「話を俺で止める事も出来る」


 4歩、後1歩。


「代わりに私に何を、」


 ゼローーー…。


 させるの、その言葉は世界が一変した事で空中に消えた。

 身体がソファーに投げ出される。

 ギシリと軋む、古いせいもあるが2人分の重みが加わったから、余計耳に響く。

 喜影君が私に覆い被さってくる。

 円嘉が狂った様に笑う声が聞こえて来た。

 頭が痛くて何も考えたくない。


「ーーーよく知っているもんだろう」