彼は私を見て笑う。
子供が玩具を見つけた時みたいな純粋な笑みは、喜影君から考えられないもので恐怖でヒュっと喉が鳴った。
「俺達の間で噂になっている。ミケが出来たと」
「…」
「言ったよな、俺達は天條が憎くて仕方ない。仕方ないからーーー」
喜影君は言葉を切ってまた嗤う。
「殺す」
「そんなの!」
出来っこない。
私ならまだしも獅帥君達は何重の警備で守られている筈だから出来る訳が。
「不良品なんて呼ばれている女、誰が助けたいと思う?身内内でもやっかまれている女を」
「それは獅帥君が、」
妃帥ちゃんを守る為に手を尽くしてくれる。
そう思ったのに、
「アイツの回りにはアイツを大事にする奴らは沢山いる。でもあの女はどうだろうな」
喜影君は悉く切り捨てていく。
「聞いた話では、ガキの頃から妹を殺そうとする奴らが居たらしい」
「それって」
それこそ惣倉って事なんじゃないの。
喜影君は首を振った。
「俺らじゃない。妹は身内でもやっかまれる存在って言ったろ」
「じゃあ、待ってそんなの、」
何で妃帥ちゃんの周りってこうも恵まれていないの?
身内って事は親戚とかって事でしょう。
妃帥ちゃんが、獅帥君が、一体何をしたって言うの?
ただでさえ身体の弱い妃帥ちゃんが、命まで狙われているなんて…。
獅帥君が過保護になるのも分かる。



