過つは彼の性、許すは我の心 弐



 喜影君は機嫌悪そうに眉を顰めていたが、フッと口角を上げて笑う。

 馬鹿にする様な笑い方。

 今度は私の方が眉を顰める羽目になった。


「…惣倉がどんな家か言ってなかったな」

「…?」


 馬鹿にしたと思ったら急に何で家の事を。


『惣倉はある事を、気が遠くなる程研究していたんですが、私はそれにいたく共感しました』


 カールさんがそう言っていたけれど…。


「惣倉は、天條が死ぬ程憎くて憎くて仕方なかった主人の為に、ある事を熱心に続けた」


 ある事(・・・)


 持った言い回しに、何が言いたいと視線で訴える。

 それを鼻で笑った喜影君の言葉は、


「ーーー人殺し…暗殺の技術を高めた、嘘みたいな話だけどな」

「…」


 信じられない言葉だった。

 冗談を言う人じゃ無い。

 それに私はあの惣倉君の強さやカールさんの言い振りを見ているから、笑い飛ばす事も出来ない。


「惣倉は天條に関わらない家にでも存在を知られていて、忌み嫌われている」

「…」

「じゃあ何で俺らは捕まらない?多少なり名前や組織の形を変えているが、物騒な奴らが野放しなのは何でだ?」

「…」

 
 分からなかったので、何も答えようがなかった。

 喜影君は皮肉る様に、嘲笑う様に喜影君は話す。


「自分達の存在を守る為に仕事を外注(・・)し始めた」

「っ…!」