「火点けた、悲鳴上げとった。当然やな。助けて欲しゅうてパーティー会場まで出てった。助かったらしいけどその後どうなったんか…」
「ま、待って渚君」
「一応俺も妃帥もその場で色々聞かれたけど、妃帥は“許して欲しいって急に言われて自分でワインを被って火点けた”って言うてな。俺は色々起こり過ぎてなんも言われへんかった。その場ではショッキングな体験をした子供として扱われたからそれ以上聞かれもせーへんかったけど…」
渚君は私が止めるのも聞かない。
「その後、妃帥を問い詰めた。ほなら“私だけがそう言うても信じて貰われへんかったやろうから、天條と格が近い人やったら誰でも良かったのよって”言いよった」
忌々しい、そう言わんばかりに吐き捨てた。
「火達磨になった女見て笑うとったで、妃帥は」
そんな訳無いそういう風に見えただけ!と言えたら良かったのに…。
『ーーーやっと死んでくれた!』
あの時の狂気の喜び様を知っているから、渚君の言っている言葉を否定出来なかった。
「…」
「ま…そう言う場面見てへん訳あれへんな」
渚君は黙り込んだ私を見て色々察し、大きく長い溜息を吐いた。
そして、
「…回りくどなったけど、俺が家の事を話したのはつづちゃんに逃げてもええって言いたかったから」
「逃げても良い?」
下がっていた視線を上げると、渚君は鷹揚に頷いた。



