「…うん」
「行かて、俺の代でどうにか出来る方法があれへんか人生掛けてでも探す」
「うん」
「勿論夏波と一緒にや」
「うん」
私に言っている様で、きっと渚君は自分に改めて決意表明しているんだ。
だから私の出来る事は渚君の思いを受け止めるだけ。
強い眼差しに負けない様に私も渚君を見つめた。
「ほんでいつか俺が、」
「うん」
「俺に、大事な奴が出来たら、俺は全力で幸せにする。夏波にする様に」
「うん」
「つづちゃん」
自分に対してが、急に私に対してになって目を丸くすると先程の険しさはなく、穏やかで優しい瞳で私を見つめていて、アレとなる。
大切な奴…って。
……いいやそ、そうだよね!私じゃないよね!はー!危なかった勘違いする所だった!
まるでその大事な奴が自分だと言われた様に感じて胸がかつてない程ときめいたが、私の自意識過剰だと思って押し込めて、渚君の言葉をどんと来い!と待ち構え直した。
「俺はつづちゃんに大事な事を教えて貰った」
「渚君に私なんかが教えられた事ってあったけ」
「俺なら夏波とこれから出来る大事な人も、どっちも大切に出来るよって」
「あ、」
渚君と話す様になって間も無い頃に、渚君に言った私の言葉。
「あの頃は上から目線で言ってごめん」
「謝らんといて。あれで俺は目ぇ覚めた気分になったから」
「そ、そう?」
「おう」



