過つは彼の性、許すは我の心 弐



 しまった。


「何処行ってん…」


 普通に見失った…。


 チャイムが鳴っていざって言う時、他のクラスメイトに絡まれしまい、気づいた時には教室内には居なかった。


「生徒会行った方が早いか…」


 幸い何となくだが場所は分かる。

 そう思って歩き始めた時、


「ーーー言いたい事はハッキリ言ってくんない?」


 唐堂綴の聞いた事もない冷たい声に足がピタリ止まる。

 声の距離からして、この曲がり角の先から聞こえて来る。

 足音を消して近付く。


「…しらばっくれないでよ!アンタが海祇夏波に何か吹き込んだせいで、私達が周りから相手にされなくなったじゃない!」


 夏波?なんで。


 話している連中に気付かれない様、曲がり角を覗き込む。


「あのねえ…ちやほやしてくれなくなっただけで、皆普通に話ぐらいはしてくれるでしょうに大袈裟な…」


 そこに居たのは唐堂綴と…2人の男女。

 しかも中等部生。

 女の方はキーキー叫び、男は横で聞いているだけだが、その顔には不満をベッタリと貼り付けさせている。状況が理解出来なかった。


「…っ!違うわ!アンタさえ何も言わなければあの根暗が」

「夏波ちゃんは根暗じゃなくて、元々明るい子だよ…君が勝手に夏波ちゃんの事を敵視して、周囲が夏波ちゃんを省く様に仕向けてたんでしょう。しかも男まで使って排除するなんて」