過つは彼の性、許すは我の心 弐


 鉄将君ってこう言っちゃあなんだけれど、スポーツ馬鹿の埜々ちゃん馬鹿なイメージしか無かったから以外に感じた。


「と言うか、唐堂は何でここいるんだよ」

「それは、」

「まさか唐堂お前…」

「洋直ちゃん路線じゃないからご心配なく」


 フレアの玩具に立候補するぐらいなら、玉砕覚悟で渚君か凌久君に告白でもするわ。(究極の2選択の1つに、何で2人に告白するが出たのか分からないけれど)


 私の答えにホッとした表情になった鉄将君は「良かった〜もしそうなってたら、埜々に一生口聞いて貰えない所だった…」と一安心一安心となっている。


「そっちの心配かい」

「埜々に嫌われる事がこの世で1番恐ろしい」

「そこまで…でも心配し過ぎじゃない?流石に一生口聞かないなんて無いでしょう」


 2人は生まれた時から許嫁で、お互い反発する事なく、穏やかに愛を育んで来たのを埜々ちゃんまたは鉄将君から世間話と言う名の惚気話として聞かされ続けた身からすれば、鉄将君の心配に疑問符しかない。


「甘いぞ唐堂」

「何が」


 チッチッと指を振る鉄将君。何かその姿ムカつく。


「埜々は本当に唐堂の事が大好きだからな。唐堂がフレアに入って岸谷みたいになったら、例え結婚して役目は果たしても一切俺に心を許さないだろう」

「そうかなあ」