過つは彼の性、許すは我の心 弐



 渚君が「つづちゃん凄いなあ赤うもなってへん」と言っていて流石私!と自画自賛しながら、やっぱり未だに額を摩る獅帥君にやり過ぎたかと思った。

 その時カオスな現場に現れたのは、


「お前ら何してんだァ?」

「唐堂先輩、獅帥先輩こんにちわ!」

「火渡君、洋直ちゃんこんにちわ」


 後輩達で、今の状況を不思議に思った洋直ちゃんは「皆さんどうしたんですか?何か獅帥先輩頭押さえているし…」と言いながら首を傾げる。


「獅帥の阿呆がつづちゃんにセクハラして逆襲されてん」

「ええ!?ここでセクハラ!?ま、まさか…」


 洋直ちゃんは自分がフレア内でされた事を思い出してさっと青褪めるが、渚君が「けったくそ悪い勘違いすんな。俺がつづちゃん傍におってそんな事させるかあほ」と吐き捨てた。


「オイ」

「渚君言い方言い方」

「俺は間違うた事は言うてへん」」


 火渡君と私が止めに入るが、渚君は腕を組んで周囲のフレアの面々を見つめる。

 空気が一瞬にして冷たくなるのを感じて、これはいかんと「今日は洋直ちゃんどうしたの?手伝いに来てくれたの?」と訪問した2人に聞いた。


「あ、あはい!それもそうなんですけど、実はこの間来た時に授業のノート置き忘れちゃって…」

「ノート…そう言えばどっかで見かけたかも」