過つは彼の性、許すは我の心 弐



 昼頃に家族が集結した。

 短期間帰省の為に帰って来た弟と、徹夜業務で帰って来た父、出張から帰って来た母、病院帰りの祖父、同じく帰省して来た私。

 久々に家族が揃って話して(と言うより、私の周囲で起きた事に対する糾弾会となってそこそこ胃の辺りが痛くなる感じだった)疲れもあったが、単純に安心して、少ない帰省日程を過ごす事が出来た。

 因みにお祖父ちゃんと話した翌日の早朝、獅帥君はお怒りマークの付いた鉄将君が迎えに来てドナドナされた。


 その時、


『本当に大丈夫なんだな』

『うんビックリさせちゃってごめんね』

『…』

『ほらほら行って!ちゃんと着いたら連絡してね!』

『お前もちゃんと連絡しろ』

『分かった分かった!』

『ほら獅帥行くぞ!』


 みたいな会話が繰り広げられ、学校で会うまでまめに連絡する事になった。(妃帥ちゃんからも1回電話連絡あって飛び上がらんばかりに喜んだ)

 獅帥君を乗せた車を見送っていると、お祖父ちゃんに声を掛けられた。


『…帰ったか』

『お祖父ちゃん、身体大丈夫?』


 昨日より顔色の良いお祖父ちゃんが後ろで立っていて『ああ大丈夫だよ。挨拶出来なかったな…』と言った。


『獅帥君も起こさなくていいって、よろしく伝えておいてくれてって言ってたから大丈夫』

『そうか…綴』

『ん?』