でもお月様は言葉を詰まらせながら、
『わあ!お月様!大丈夫!?』
ーーー泣いてしまった。
大慌てで近付いた私は甘くて良い匂いに包まれる。
お月様に抱き締められていた。
『お月様…?』
『っ…!いいんだ…大丈夫』
あ、この匂い…。
思い出し掛けた私の思考は、お月様が幼い私を自分の身体から離した事により止まる。
私の言葉を信じた訳じゃ無いだろうけれど、お月様は泣き笑いの表情で。
心を込めてーーー。
『ーーーありがとう』
そう言ってくれた。
夢の中の、古い記憶。
起きた時は覚えていなかったけれど、悲しくてもっと何か声を掛けたくって、でも涙が止まらなくって、獅帥君に凄い心配された。
そんな明くる朝の出来事。
そしてーーー…。



