過つは彼の性、許すは我の心 弐



 でもお月様は言葉を詰まらせながら、


『わあ!お月様!大丈夫!?』


ーーー泣いてしまった。


 大慌てで近付いた私は甘くて良い匂いに包まれる。

 お月様に抱き締められていた。


『お月様…?』

『っ…!いいんだ…大丈夫』


 あ、この匂い…。

 思い出し掛けた私の思考は、お月様が幼い私を自分の身体から離した事により止まる。

 私の言葉を信じた訳じゃ無いだろうけれど、お月様は泣き笑いの表情で。

 心を込めてーーー。


『ーーーありがとう』


 そう言ってくれた。

 夢の中の、古い記憶。

 起きた時は覚えていなかったけれど、悲しくてもっと何か声を掛けたくって、でも涙が止まらなくって、獅帥君に凄い心配された。

 そんな明くる朝の出来事。


 そしてーーー…。