過つは彼の性、許すは我の心 弐

 

 肩幅も広く、がっしりとした身体つきの割に、爽やかな雰囲気とクッキリとした目鼻立ちが特徴の美丈夫。


鉄将(てっしょう)帰ったんだな」

「ああただいま」


 木野島君の呼び掛けに軽く返した彼の名前は武凱鉄将(ぶがいてっしょう)

 一年の時に同じクラスで、イツメンの1人だった。

 彼の許嫁であるののちゃんとも大の仲良しで、恐らくこの場で1番仲が良いとも過言では無い程仲が良かったが…。


「つーかびびったわ。唐堂はこんな場所にどうしているんだ?」

「いや鉄将君もどうしてこんな所に…」


 言い掛けながら、


『後もう1人はつづもよう知ってる奴やねん』


 って凌久君が言っていたけれど、まさか。


「鉄将君ってシンカンなの?」

「ああ俺は獅帥のシンカンだ」


 なるほどなあと繁々と鉄将君を見つめる。

 鉄将君と言えば、武術を極めるなら武凱家に伝わる武鬼凱無限流派(ぶきがいむげんりゅうは)を学ぶべしと呼ばれる様なお家の総本家で、無論鉄将君も例に漏れずその身体能力の高さを有している。

 武術を極めている以外にも、スポーツでもかなりの賞を総なめする程の実力者であり、清維並に周囲の評価も高い。

 だからシンカンと言われても納得…アレ。


「…鉄将君。つかぬ事を聞くけど」

「どうしたんだ?」

「鉄将君ってフレアに所属していたりする?」

「しているけど、それが?」


 CMに出れそうな程のフレッシュな笑顔。