過つは彼の性、許すは我の心 弐



 外に出掛けると、幾つの賞も総なめした大御所俳優か、はたまたは常連文学賞受賞小説家かと言った勘違いをされる事もあれば、話せばこんなお茶目な事も言うしで、お祖父ちゃんは大変魅力的な御人で、自慢の祖父でもある。


「ところで綴」

「え?」


 私の脳内お祖父ちゃん自慢が止まらなくなっている時に、そのお祖父ちゃんがチラリと。


「そちらの方は?」


 獅帥君を見る眼差しは一見穏やかそうに見えたが、冷めている様にも見えて胸がドキリと鳴る。


「あ、あのお祖父ちゃん」

 
 此方は、と言い掛けた所で、


「天條獅帥です。父が大変お世話になりました」


 先に獅帥君が挨拶をした。

 が、


「ああ…君が」

「…」


 良い雰囲気とは言い難い。


「お、お祖父ちゃん。ごめんね勝手に連れて来て…」


 ここに来る前に簡単に連絡はしていたけれど、にしてもあのお祖父ちゃんが初対面の相手に対してここまでピリピリするなんて…一体匡獅さんは何をしたんだ。


「綴はいいんだ。クラスメイトに頼られたら、助けたいと思うのが普通だろう。僕は、助けを求める相手が他に居たんじゃないかと思ったんだ。同性ならまだしも異性なんてね」

「あ、でも私が結構強引に連れて来ちゃって」

「か弱い綴が少し引っ張ったぐらいでこんな所まで来てしまうのか君は。恐ろしいくらい貧弱だな」

「お祖父ちゃんストップストップ!」