獅帥君はじっくりと考えているみたいで、やっぱり彼のちょっとした人らしい姿を見るとホッとする。
そう言えば、惣倉君にも似た様な事を言ったな…。
あの時は避けられていると思ったから、結構堪えた。
きっと円嘉の私に対する行いが未だにトラウマとなっているせいだ。
何がそこまで円嘉を変えたのか。
私自身強烈に円嘉と差を感じていたけれど、何も言わずに距離を取ってしまったとか(虐められる様になってからのはまた別だけど)冷たくしてしまったとかは無かった。
結局いない相手に幾ら問い掛けても無意味なのは分かっているけどさ…。
「あれ」
足が止まる。
「どうした?」
「門の前に誰かいる…あ、」
家の門の前に、薄闇でも分かるグレーの着流しを着た男の人。
わざわざ外で待っててくれたんだ。
「お祖父ちゃん!」
「綴、おかえりなさい」
「ただいま!」
文啓お祖父ちゃんはふふっと静かに笑う。
お祖父ちゃんは派手目な美人だったお祖母ちゃんと並んでいても、昔も今も見劣りしない品のある顔立ちで、お祖父ちゃん自身が生み出す厳かな雰囲気が絶妙に混ざり合って、美しくも清らかと言う表現がピッタリな人だ。
「身体は大丈夫?」
「綴がいるからね」
「もうっお祖父ちゃんったら〜」
「本当の事だからね」
「きゃーイケメン発言!」
「ふふ…綴は相変わらずだね」



