過つは彼の性、許すは我の心 弐



 でも何て言うの?

 そんな言い方をしたら相手が傷付くって言うの?

 じゃあユウナに獅帥君こうは言ってもとっても良い人なんだよとか言う訳?

 駄目だ…私自身円嘉の事を突然思い出して、頭がちゃんと回っていない。


「綴、もう出な」

「唐堂ここどうにかしておくから、今日は帰っておけ」

「彼氏も疲れているんでしょう、また聞かせてよね」


 私が困っているのを察したのか、友達とクラスメイト達が気を利かせてそう言ってくれた。


「皆んな…ありがとう。今度必ず埋め合わせするから。行こう獅帥君」


 頷いた獅帥君の手を握り、足早にカラオケボックスから去る。

 ユウナは最後まで顔を上げる事はなかった。


「ここからそんな遠くないから」

「そうか」


 外は薄暗く、蒸し暑い空気が肌に纏わりつく。

 昨日とそう変わりない、うん変わりないけど…。


「…綴」

「うん?」

「悪かった」

「え?」


 獅帥君を見上げると、何処か罰が悪そうな顔をしていた。

 もしかして、

 
「あーさっきの事?」


 頷く獅帥君を横目に今までならあり得ない事だろうな、と場違いな事を思ってしまった。

 以前の獅帥君ならユウナと私の話が終わるのを待っただろうし、そもそもこんなど田舎に会いになんて来ないだろう。

 獅帥君はまともな人との付き合い方を学びはじめたばっかなんだ。