「そこまでして他人に認められないとは…」
「五月蝿い!!」
ユウナが獅帥君に手を振り上げたので「獅帥君!」と思わず声を上げたが、獅帥君は逆に殴り掛かろうとしたユウナの手首を握った。
「っ…五月蝿い!五月蝿い離せ!」
握られた手を振り払おうとするが、獅帥君の手はビクともしなかった。
そして、一言。
「哀れだな」
もし円嘉と獅帥君が本当に似ていて、ユウナがそう思っているなら、この一言は円嘉の言葉にも等しい。
心臓を握りつぶされる。
そんな衝撃だ。
あんなに騒いでいたユウナの声も聞こえなくなった。
「お前が言うその女と似ている俺からすれば、お前は、」
「いや…聞きたくない…」
声が出たかと思えば、懇願の様な小さな呻き。
私まで胸が、心が、掻き乱される。
「心の底からどうでもいい。視界に入れば不快だと感じるし、いなくなれば記憶に残らない、その程度の存在だ」
「獅帥君!」
ギュっと彼の背中のシャツを掴む。
獅帥君はパッとユウナの手を離して「どうした綴」といつもの彼に戻ってくれたが。
「ユウナ!」
「大丈夫!?」
視界の先にいる座り込んで項垂れるユウナは、友人達が心配そうに肩を揺すったり、声を掛けたりするが返事はない。
これはいけない。
「し、すい君。あのさ、」
「ああ」
「…」



