過つは彼の性、許すは我の心 弐



 コクン…じゃなくって!


「こら!寝ないでフラフラじゃあ危ないでしょうが!」

「綴は会いたくなかったのか…?」

「やめなさいその目!捨てられた子犬みたいな!…てか言い方まで子供っぽくなってるし…眠いんでしょう?」

「眠くない…」


 目を少し擦る動作をする獅帥君。

 猫が毛繕いする様な動作にキュンとしたが「…そんなんでよくここにいるの分かったね」行き先なんて家族にぐらいしか言ってないのに、と不思議に思った。

 ここに知り合いがいるとは思えないけれど…。

 答えは、
 

「ゲートボールしていた人達に聞いたら、此処じゃないかって」

「お前か、老人お迎え事件の犯人は」

「お迎え…?やたら有り難られて拝まれたが」

「はあ…」


 こんな後光オーラを纏った男が平凡な田舎を歩いていたら、それは手を合わせるわな。


「綴…」

「へ?」


 犯人は見つかったがこれは警察に出頭させるべきなのか?と意味の無い事を考えていたら、グイッと引き寄せられる。

 ぽすんと腕に囲われる。

 甘くて良い匂い…。


「眠い」

「うんでしょうね」

「いつもみたいに一緒に寝よう」

「うん…どっか泊まっているの?手ぶら?」

「手ぶら」

「そっか、じゃあ私の家でいい?」

「うん…」


 私を抱き込んで首元辺りをスリスリする獅帥君をくっ付けながら、さてグーパンチをした息子が来るってお祖父ちゃんに何と言おうかと思案する。