『…』
「獅帥君?」
何故だか黙りこむ獅帥君。
『…すいだけか?』
「うん?」
『妃帥だけか?』
「…ああ」
口を尖らせる獅帥君の姿を思い浮かべて、ふふっと笑ってしまった。
あの妃帥ちゃん以外に興味無かった男がこんな事を言うなんて…。
成長を感じてちょっとだけジーンとしながら、
「勿論!獅帥君とも会いたいよ!」
元気良くそう言った。
事実だしね。
渚君達とは海に行った時に会っているし、獅帥君とは天條邸でのお泊まり以降は会っていなかった。(こう言う携帯でのやり取りのみ)
だから友達皆んなに会いたい!と言うニュアンスで私は伝えたつもりだった。
『俺も、』
「うん?」
『ーーー俺も会いたい』
急にガツンと、切ない気持ちを含む声に言葉を失った。
胸が鼓動する。
実感した。
い、イケメンのシンプルな言葉って凄い…!
「ううん…」
『?大丈夫か』
「いいやうん大丈夫本当にマジで大丈夫」
『…大丈夫なんだな』
「うんうん会いたいよ私も今すぐ最高に会いたい!」
ああどんどん大丈夫じゃない言い方している。
獅帥君をイケメンって思い出してしまって、恋する乙女な気持ちになっている。落ち着け自分。獅帥君は雛鳥、漸く家族以外の誰かと気安い関係を作ろうとしているんだ。
私は特別じゃない私は特別じゃない私は特別じゃない。(念仏。今日から家に帰って100回唱えよう)



