紛らわす様に獅帥君の近況報告を確認する。
「どれどれ」
内容は今日も何処かのパーティーに行った事と、其処の観光名所の絶景写真が添えられていた。
「ふふっ…」
「嬉しそうだな」
「うん」
ナオは私の前に手作り炒飯を置きながら、私のニヤけ顔の理由を聞いて来た。
「あんまり人と関わらない人だったんだけど、最近凄い沢山話をしてくれるようになったんだ」
「へえ」
「色々こうだったああだったってその日に起きた事を話してくれてさ」
へへっと笑って言うと、ナオは早速自分の炒飯に口をつけながら、
「…綴は昔からそう言う所あるよな」
昔の話を振った。
「そう?」
「うん。1人の奴を放って置けないって言うか…ほら小学校の頃もさ1人でいた奴に話し掛けまくって」
「あーあったね」
あの時は授業中でもお構いなしでくっつく様になって、あの子がキレて大変だったなあ。
ナオはブチ切れたあの子を止める為に、傷だらけになっちゃって。
ハハと笑うとジト目でナオが睨む。
う、すまん。
「ごめんて…」
「…ま、俺も人の事言えないし、飯食えよ」
「ありがとう」
相変わらずナオの炒飯は美味しい。
上機嫌でモグモグと口を動かしながら居間に掛けてある作業服を見る。
「ナオは今工場で働いてんだっけ」
「ああ」
「…高校は通わないの?」
ナオの炒飯を掬うスプーンが止まった。



