「面倒臭いとも、もう関わらないとも思ってないんでしょう。大事だからこそ、嫌でも踏み込むべき時ってあると私は思うんだけど…」
どうでもいいや、いつか完全に切るつもりでいるし…なんて思っていれば、木野島君みたいな対応でもいいかもしれないけれど、彼の場合はそうじゃない。
彼と周囲の付き合い方を見ている限り、彼は本当に心配している様に見えるから、このままじゃいけないと本人も分かっている筈。
現に、
「…だよね」
木野島君は私の言葉を、苦笑いで肯定した。
…よし、取り敢えず木野島君はいいとして。
「獅帥君」
「…」
最後に獅帥君。
無表情な彼は態度にすら自分の本心を出そうとしない。
うん…そこは一旦いい、でも。
ツカツカと彼に歩み寄り、目一杯息を吸った。
妃帥ちゃんは傲慢我が儘美少女、傲慢我が儘美少女…。
…前は妃帥ちゃんの意図を知らずに、皆んなに妃帥ちゃんはそう言う子じゃないよって言っちゃったけれど、今は否定しちゃいけない。
だから、
「ーーーお風呂入ろう」
周囲の妃帥ちゃん像を崩さない様にしつつ、妃帥ちゃんのして欲しそうな事をする。
何で風呂なんだって言われるとアレだけれど、お風呂はリラクゼーション効果抜群だ。
昨日から緊張し続ける相手もグニャグニャにして、眠りへと誘う。



