「責任、何のこ、」
漸く気づいたのか言葉がやや吃る。
この場を支配する男の威圧感に言葉まで震えていた。
「お前がここで俺達を足止めして、俺の妹に何かあったら責任を取ってもらう。どんな形でも」
「し、しかし!」
ある意味ここまで食い付くのも凄い胆力だが、
「…そこまで俺の言う事を聞かないなら、」
獅帥君は言葉を止めて、
「…昔から不思議な事に、」
「何の話を」
黙って話を聞けと、男を視線で黙らせる。
「俺が少しでも不快だと周囲に話すと、次の日にはソイツとその周りにいた人間も消えた」
男に世間話をする軽さで、このまま通さなければどうなるのかを伝える。
そして、
「お前にその覚悟があるなら邪魔をすればいい」
男に選択を問う。
男は暫くの沈黙の後に、
「ーーーお通り下さい」
歯向かう気力を無くし、神の為の道を開けた。



