過つは彼の性、許すは我の心 弐



『先輩、後これとこれ持ってて下さい』

『え?』


 後ろ向きになりながら渡されたのは結束バンドと、


『スタンガン?』

『はい先輩でも使いやすそうな奴です』


 何でか私スタンガンと縁があるな。(嫌な縁)


『で、これからの話なんですけど。手短に』


 惣倉君にスタンガンの説明を受けた後、具体的な作戦を聞かされる。


『俺と武凱先輩と足止めします』

『唐堂を1人で行かせるのか!?』

『天條先輩に出会ったとしてあの人数が追いかけて来たら話も出来ないでしょう。武力のある俺らが足止めしている間に先輩が説得して下さい』

『…分かった』

『唐堂!?』


 ビックリする鉄将君を他所に、惣倉君の話に耳を傾ける。


『俺らも適当に捌いたら先輩の所まで行きますんで、それまでにお願いします』

『うん』

『後、万が一複数を相手にしなければならなくったら、』

『…?』


ーーー惣倉君の話では、先ずは見せしめに先制攻撃として1人を攻撃ないし叩く。

 そして、相手方が動揺した所で獲物を見せながら、自分がそれで攻撃された場合どうするのかを想像させる。

 笑顔で言っていると尚良いとの事で微笑みは常に意識し、こっちが狂人で平気で恐ろしい事をする様に振る舞う。

 惣倉君の言葉を出来るだけ念頭に置きながらやってみたけれど…。