「銃の携帯は一部のみ。発砲はお客様のいない時と決まっていますので…まあ私は持っていないんですが」
「…」
惣倉の本当に持ってないんだろうなと言う視線に、
「こう言う巡り合いが会った時に、銃だと直ぐに終わってしまいますので、持っていませんよ。神にでも誓いましょうか?」
チワワ男は持っていないと言うが怪しい。
「全裸になりましょうか?」
「いい。男の裸なんて見たくもないんで」
「それは残念です」
こんな状況でどんな話しているんだよコイツら。
サスペンス映画見ていたのに急にコメディ映画を見せられたような気分にさせられて、思わず肩の力が抜けた。
しかし、
「持っていようが持っていまいが変わらないんで」
「ほう…それは自信がおありで」
「自信っていうか、」
惣倉の次の言葉に、
「ーーー勝負ついているんで変わらないって意味なんだけど」
一瞬にして総毛立った。
「え?」
チワワ男は間抜け声と共に、気付いたら地面に膝を突かされていた。
「グッハッ…!」
血がチワワマスクの下から大量に吐き出される。
「アンタもっと身体大事にしなきゃ」
「な、グッ…!」
惣倉は相変わらず冷めた目でチワワ男を見下ろす。
「俺の一撃って一回でも喰らうと駄目なんだよ」
「意味、が、」
俺にも意味が分からなかった。
傍から見ていた俺にも惣倉がチワワ男に痛恨の一撃を与えた所なんて見てないのに。



