この暗闇で縦横無尽に動き回りながら、1人1人確実に潰している。アイツ暗視スコープでも着けているのか。
「ヒッ…!」
「ガアッ!!」
そして一際カキン!と言う金属同士がぶつかり合う音と打撃音が複数回鳴り、明かりが点く。
そこに広がる光景は、
「ゲホッゲッホ…!」
「グッ…」
死屍累々で、吐瀉物を吐き出している者、呻き声を上げて以降ピクリとも動かない者が地に転がっている。
今立っているのは俺と、
「急所を狙われた程度で倒れる様な鍛えた方はしてないんですけどねえ、どうやったんでしょうか?」
「さあ?」
「私も少し貰ってしまいましたが、鍛え方が甘かったですねえ」
「そう」
ナイフ同士をギリギリと鍔迫り合いさせている惣倉とチワワ男。
下手に入れば、こっちが大怪我負いかねない2人の勢いに唾を飲み込むしかない。
「嘔吐に失神…薬か」
「答える気ないけど」
一旦惣倉が大きく押して2人は離れる。
「惣倉!」
「下がって」
そう言われただけじゃないが、
「不思議ですねえ」
チワワ男が首を傾げながら言っている姿が、不気味で止まらざる得なかった。
惣倉は、
「…アンタこそ銃でも何でも使えばいんじゃないの?」
と言うもんで確かにとも思った。
そうだよ。
さっき発砲音があったんだから持ってても可笑しくない。



