お前らのお仲間じゃないのかと、問われている様な気がして心拍数が上がる。
バレてない筈…だよな。
「ええ何の思入れもないですから」
惣倉は冷たくそう言った。
米神に汗が伝う。
チワワ男が着ぐるみの元まで辿り着く。
「さて、」
チワワ男は着ぐるみ頭を取ろうとして、しゃがみ込む。
目の前にナイフの先が、え?
頭の中でチワワマスク男が自分にナイフを突き刺そうとしている事は分かったが、
身体が反応し切れない…!不味い!
刺される!そう思った瞬間、
「うぐへ!」
グワンと後ろに投げ飛ばされていた。
「しっかりして下さいよ、武凱先輩」
「ってて…!」
廊下を転がる羽目になったが、怪我は負ってない。受け身は取れた。
「ああ…やっぱり貴方方だったんですね」
起き上がるとチワワ男が、刃渡りの長いナイフを何も無い空間を突き刺さしている様な間抜けな姿になっているが、刺さっていたら致命傷を負っていただろう事が容易に想像付いてゾッとする。
「じゃあこっちは」
ザグッ!と躊躇いなく、着ぐるみを刺し貫いた。
躊躇いねえ…!
勢いの良さにまた背筋が寒くなるが勿論、
「入っていませんね…」
血は流れ無かった。
そもそも唐堂が着ていた着ぐるみの中には、誰も入っていない。
「分かっていたんでしょう、アンタ」
呆れた様に惣倉が言った。
そして、



