ナマハゲのインパクトが強過ぎて忘れていたが、こんな場所に着ぐるみって…今更ながらに思った。
「下手打たなきゃいいけどな…」
「だから大丈夫ですよ。公的機関に頼れないのはあっちも同じです。大事にしたく無いから捕まえようとするんですよ、逆を言えば捕まらなければいいだけの話です」
「捕まらなきゃな」
因みに俺らはあの後もう1人、惣倉が掻っ攫って来た奴のマスクを剥ぎ取って、唐堂命名のドッグラン達に扮装している。(俺はゴールデンレトリバーマスクを被っている)
「それに海祇先輩、妹さんと居ると更に強い?って言うのか、何て言うんだろうな、パワーアップ?しているから余計大丈夫じゃないかと」
「パワーアップ?」
惣倉の不思議な海祇兄妹の評価に首を傾げる。
「うーん適当な言い方がないなあ…ま、良い言い方が思い付かないからこれ以上の言及は無しで。それより早く離れますよ。アレも、もうそろそろバレても可笑しく無い」
踵を返したのを見て、そうだったと歩き始める。
俺らの目的はさっきのエリアから出来るだけ離れる事だ。
惣倉に続こうとしてーーーー。
「お待ち下さい」
背後から声を掛けられる。
ヤベッと内心焦るが、従業員のフリしているんだから、普通に振り向けばいいだけだと落ち着かせる。



