「じゃあちょっと失礼しまーす」
ーーーバサリと言う音が聞こえ、
「何だ貴様!」
「何やめて!?」
聞き覚えの無い声が聞こえたと思ったら、地面の近くに誰かが転がり出て来る。
「さっさと出て行って下さーい。先輩達こっち」
「つ、惣倉君!?」
グイッと入らせた所はエッチな天幕内で、続けて鉄将君も入って来る。
「はあー…疲れた」
「鉄将君大丈夫?」
天幕内のベッドは地べたに作られている事もあり、煙の影響が少ない為に、薄らと人の輪郭が見えて来る。
「なんとか…」
ドサリと座る鉄将君は本当に疲れているらしく、後ろ手に手を突く姿勢となっている。走りっぱなしだった2人に比べて1人楽でごめんなさい。
「腰を落ち着けるのは早いですよ。武凱先輩、唐堂先輩の事をお願いします」
「え、惣倉君?」
そう言ってスルリと天幕から出て行く惣倉君。
「大丈夫かな惣倉君」
「俺らよりは平気だろ」
そう言われたらそうなんだけれど…。
私の心配を他所に暫くすると「先輩、少しスペース空けて貰っていいですか?」と戻って来た惣倉君。
言われた通りに少しスペースを開けたら、何かが勢い良く入って来た。
って、
「ぎゃあ!ドッグラン!」
「ドッグラン?」
惣倉君が不思議そうにしながら、連れて来たゴールデンレトリバーマスク男に跨る。



