過つは彼の性、許すは我の心 弐



「じゃあちょっと失礼しまーす」


ーーーバサリと言う音が聞こえ、


「何だ貴様!」

「何やめて!?」


 聞き覚えの無い声が聞こえたと思ったら、地面の近くに誰かが転がり出て来る。


「さっさと出て行って下さーい。先輩達こっち」

「つ、惣倉君!?」


 グイッと入らせた所はエッチな天幕内で、続けて鉄将君も入って来る。


「はあー…疲れた」

「鉄将君大丈夫?」


 天幕内のベッドは地べたに作られている事もあり、煙の影響が少ない為に、薄らと人の輪郭が見えて来る。


「なんとか…」


 ドサリと座る鉄将君は本当に疲れているらしく、後ろ手に手を突く姿勢となっている。走りっぱなしだった2人に比べて1人楽でごめんなさい。


「腰を落ち着けるのは早いですよ。武凱先輩、唐堂先輩の事をお願いします」

「え、惣倉君?」


 そう言ってスルリと天幕から出て行く惣倉君。


「大丈夫かな惣倉君」

「俺らよりは平気だろ」


 そう言われたらそうなんだけれど…。

 私の心配を他所に暫くすると「先輩、少しスペース空けて貰っていいですか?」と戻って来た惣倉君。

 言われた通りに少しスペースを開けたら、何かが勢い良く入って来た。

 って、


「ぎゃあ!ドッグラン!」

「ドッグラン?」


 惣倉君が不思議そうにしながら、連れて来たゴールデンレトリバーマスク男に跨る。