過つは彼の性、許すは我の心 弐



 長い廊下を走っていた間、チラホラ部屋の入り口から扉の付いている部屋が幾つかあった。

 ホールも凄かったけれど、密室の部屋なんてもっと凄いんじゃ…。

 ゴクリと唾を飲み込む。

 建物に入り口から入った時のホールで行われていた、美しい容姿の男女が際どい格好をして、顔を隠している利用者達に色んなご奉仕している姿を思い出してしまう。


「行きますよ!」

「ふあい!」


 何の心の準備も出来てないけどね!

 惣倉君は近くにあった入り口の開放されている場所に入り込む。


「きゃあ!」

「何だお前ら!」


 ひー!ごめんなさい!?

 入った場所はアラビア風の場所で、建物の中なのにアラビアンナイトの風景を模した庭園に、シルクの天蓋、紫ベースの地べたに作られたベッドの様なソファーに、真ん中には大きな噴水まである。

 天蓋の中では最中っぽい人もいるが、平気で横断出来る惣倉君マジ凄い。(鉄将君は見ない様に追って来るドックラン達の方を見ている)


「おいこっちだ!」

「応援を呼べ!」


 折角良い風景なのに、絡み合った人達の所為で色々目のやり場に困る…と言うか、ドッグラン達もう来たのか。

 うへえヤダーと思って入れば、

 
「惣倉それ何に使うんだ!?」

「普通に使いますよ」


 惣倉君が片手に踊り子風の衣装を持っていた。いつの間に。